漫画家・山本章一。
その名前を聞いて「ああ、堕天作戦の人ね」と思い出すファンは多いかもしれません。
WEB漫画総選挙で3位に輝いた実力派で、マンガワンの看板作品の一つだった堕天作戦の作者。
しかし2026年2月、その人物像は根底から覆されることになりました。
札幌地裁が下した判決で明らかになったのは、教え子の少女への3年間に及ぶ加害行為。
そして、本名が栗田和明であること、過去に児童ポルノでの有罪歴があったこと、さらには別名義で新たな連載を続けていた疑惑まで。
一人の漫画家の「表と裏」が一気に崩壊した瞬間でした。
今、ネット上では山本章一氏の素顔を追う動きが加速しています。
顔画像は出回っているのか、SNSは特定されたのか、勤務していた高校はどこなのか。
そして何より、なぜこれだけの問題を抱えながら漫画家として活動を続けられたのか。
この記事では、判決や報道で明らかになった情報を軸に、山本章一氏の経歴と北海道芸術高校での講師時代を掘り下げていきます。
目次
山本章一の本名・栗田和明はどこから出てきたのか
まず気になるのが、「山本章一」というペンネームの裏にある本名のこと。
栗田和明(くりた かずあき)という名前は、判決後に突然降って湧いたわけではありません。
2月20日の札幌地裁判決そのものは、被告を匿名で扱っていました。
しかし、被害者側の弁護士会見や関係者取材を経て、あしたの経済新聞が「この男性が人気ウェブ漫画『堕天作戦』の作者として知られる山本章一氏であることが判明した」と報道。
続けて弁護士ドットコム系メディアやJ-Castも「山本章一(本名:栗田和明、50代、北海道在住)」と併記する形で続報を出しました。
判決文に記された「北海道私立高校の美術講師・50代男性」という経歴が完全に一致していたことも決め手でしょう。
2月27日時点で、山本章一氏の側からこの報道を否定する動きは一切出ていません。
Wikipedia「堕天作戦」のページにも追記がなされ、ネット上では確定情報として定着しています。
山本章一の「二足のわらじ」はどう崩れたのか
栗田和明氏の経歴をたどると、ある種の「理想的なキャリア」が浮かび上がってきます。
それだけに、判決後の落差が際立つのです。
北海道の私立高校で美術講師を務めながら、漫画の世界にも挑戦していた山本章一氏。
2011年頃から「漫画 on Web」という投稿サイトでネーム大賞の佳作などを獲得し、着実に力をつけていきました。
転機は2014年。
小学館の「裏サンデー 第3回連載投稿トーナメント」で『堕天作戦』が優勝、プロデビューの切符を手にします。
2015年2月に始まった連載は、不死身の主人公と支配をテーマにした重厚なSFファンタジーとして評価され、2019年のWEB漫画総選挙で堂々の3位。
昼は教壇でデッサンを教え、夜は漫画を描く。
「現場の経験が作品のリアリティに活きている」なんて言われていた時期もあったようです。
ところが2020年2月、突然の休載。
公式には「体調不良」とだけ説明されました。
しかし判決後に明らかになった真実は、同時期に児童ポルノの作成・所持で罰金30万円の略式命令を受けていたということ。
そしてこの頃に講師も辞めたとされています。
2022年7月には被害女性が民事提訴、同年10月に堕天作戦の連載が終了。
その際に山本章一氏が残した「現在も継続中の私的なトラブル」「堕天作戦は甦ります」という言葉が、今では完全に別の意味を帯びて読まれています。
教え子を育てながら、その教え子を支配し、性加害を加えていた。
作品で「支配」を描きながら、現実でも同じことをしていたわけです。
Xやはてなでは「作品のテーマが現実と重なるのは偶然なのか」という声が後を絶ちません。
山本章一氏の「理想の二足のわらじ」は、実際には「二重生活」だったということになります。
山本章一の顔画像やSNSは特定されているのか
判決直後からネットで最も検索されているのが、山本章一氏の顔とSNSアカウント。
結論を先に言ってしまうと、確定した顔画像やSNSは見つかっていません(2月27日時点)。
マンガワンの作者ページ、単行本の奥付、公式Xアカウント、どこを探しても顔写真は未掲載。
ウェブ漫画出身で顔出しを一切しないスタイルを徹底していた人物で、そもそも公の場に顔を出す機会がほぼなかったようです。
ネット上では「講師時代の写真」「特定された」と称する画像がいくつか出回っていますが、どれも本人確認が取れておらず、誤認やフェイクの可能性が指摘されています。
5chやXの特定スレッドも同様で、信頼性の高い情報とは言い難い状況でしょう。
Facebookについても、同姓同名のアカウントは複数存在するものの、本人と断定できるものは確認されていません。
事件後に非公開化あるいは削除された可能性が高いという見方が主流です。
X個人アカウントについても、作品公式アカウント以外で山本章一氏本人のものと確認できたものはゼロ。
ここまで徹底して痕跡が残っていないのは、偶然とも思えません。
事件を「私的トラブル」という言葉で隠し通そうとしていた経緯を考えると、デジタル上の身元特定を相当に警戒していたのかもしれません。
山本章一(栗田和明)が講師を務めた北海道芸術高校を深掘り
山本章一氏の経歴を語る上で欠かせないのが、講師時代の話です。
勤務先がどんな学校で、なぜそこが加害の温床になってしまったのか。
通信制高校という特殊な環境と、「人気者の先生」の裏側にあったものを見ていきます。
①北海道芸術高校・通信制キャンパスという特殊な環境
栗田和明(山本章一の本名)氏が講師を務めていた学校は、複数の報道で北海道芸術高校(通信制・札幌サテライトキャンパス)と特定されています。
判決文の「北海道の私立高校で美術講師を務めていた50代男性」という記述と一致する学校として、メディア各社が報じました。
通信制高校は全日制とはかなり仕組みが異なります。
毎日通学するわけではなく、レポートの提出とスクーリング(対面授業)を組み合わせて単位を取得する形式。
そのため、生徒への対応は自然と個別指導が中心になり、講師と生徒の距離がぐっと近くなりやすいのが特徴です。
しかも通信制を選ぶ生徒の中には、不登校やいじめ、家庭の問題を抱えているケースが少なくありません。
自己肯定感が低く、大人の承認を強く求めている生徒がいる環境。
山本章一氏が行った加害のグルーミング手口は、まさにこの環境を熟知した上での行動だったと指摘されています。
学校法人に対する使用者責任は「行為が授業時間外・場所外」として退けられましたが、「学校はまったく気づいていなかったのか」という疑問はネット上でくすぶり続けています。
②「親しみやすい先生」の裏側にあったグルーミング
講師時代の山本章一氏は、「親しみやすい先生」「漫画の裏話を教えてくれる面白い人」として一部の生徒からは好評だったとされています。
プロの漫画家が直接デッサンやイラストを教えてくれるわけですから、漫画好きの生徒にとっては憧れの存在だったことでしょう。
【続報】
加害者(栗田)の講師時代の写真を入手 https://t.co/I69Um6uCmd pic.twitter.com/LCOitXpode
— あおい みゆ (@japan_miyu_) February 26, 2026
しかし、判決で認定された内容を知ると、この「親しみやすさ」こそがグルーミングの入り口だったことが分かります。
グルーミングとは、加害者が被害者の信頼を少しずつ獲得し、心理的な支配関係を築いていく手法のこと。
「漫画の話をしてあげるよ」「父親代わりになるよ」という言葉で近づき、家庭の悩みに付け入って信頼を獲得。
課題後の送迎を装って車内で二人きりの状況を作り、そこから支配関係を構築していった。
裁判所は「原告の判断能力の未熟さ・自己肯定感の低さ・家族葛藤に便乗し、教師の優位性を悪用した」と明確に認定しています。
事件発覚後のネットでは、「当時から女子生徒と親しすぎるという噂があった」という後付けの情報も散見されます。
こうした話の真偽は確認しようがありませんが、いずれにしても「人気の先生」という仮面の下で何が行われていたのかを考えると、教育現場における距離感の問題は改めて考え直す必要がありそうです。
山本章一に児童ポルノの前科があったのに活動を続けられた理由
今回の判決で多くの人が驚いたのは、認定された行為の異常さだけではありません。
山本章一氏には、2020年に児童ポルノ(作成・所持)で罰金30万円の略式命令を受けた前科があったのです。
これは被害者側弁護士の会見で公表された情報で、判決文でも関連が示唆されています。
では、なぜ前科がありながら漫画家を続けられたのか?
日本には、前科情報を出版社や取引先に自動で通知する仕組みがありません。
罰金刑は前科として記録には残りますが、出版社が自発的に調べなければ把握できない。
フリーランスの漫画家という立場上、企業の採用審査のような身辺調査も受けません。
極端に言えば、黙っていれば誰にも分からない構造になっているのです。
小学館が2020年の休載時に知っていたのかどうか。
これが今、最大の焦点の一つになっています。
当時の公式発表は「体調不良」のみ。
しかし2021年5月には、担当編集の成田卓哉氏が被害者・山本章一氏との3者LINEグループを作り、「150万円即払い+守秘義務」での示談を提案していたとするリーク情報が浮上しています。
もしこれが事実なら、遅くとも2021年の段階で編集部は事件を把握していたことになる。
それにもかかわらず、連載を「私的トラブル」で済ませ、別名義での活動まで継続させていた可能性があるわけです。
ちなみに、こんなポストがありました。
離婚理由にはゾッとしますね…
山本章一の事件で声を上げたクリエイターたちと業界の沈黙
今回の事件で注目すべき動きの一つが、現役の漫画家やイラストレーターから上がっている声です。
「業界の自浄作用」として、これまでにない規模でクリエイターたちが意見を発信し始めています。
たとえば漫画家のさちみりほ氏は「全漫画家への社会的信頼が地に堕ちる。沈黙は許されない」と発言。
他にもSNSでは「現役クリエイターの声明に救われている。人間性に問題があったらNOと言える社会に」「犯罪者を庇って事情を知らない作家を巻き込む小学館」と直接的に批判してた声も挙がっていました。
これらに共通するのは「権力があれば許される時代は終わった」というメッセージ。
小学館の沈黙が続く中、クリエイター自身が声を上げることで、業界の空気を変えようとする動きが可視化されてきたのです。
そしてもう一人、忘れてはいけない存在がいます。
山本章一氏と同一人物と疑われている「一路一」名義の作品『常人仮面』で作画を担当した鶴吉繪理氏です。
鶴吉氏は2月26日朝にXで「とても、ショックだ………酷い、悲しい…」と投稿。
とても、ショックだ………酷い、悲しい…
— 鶴吉繪理 (@turu_yosi) February 26, 2026
この短い言葉に閲覧92万超、いいね2300超の反応が集まりました。
ヤングジャンプ『ブルーフォビア』の連載経験もある実力派で、事件について何も知らされないまま原作者とタッグを組まされていた可能性が高い。
電子書籍のサイレント停止で最終巻の販売機会まで奪われた形になっており、「巻き添え被害者」として大きな同情が集まっています。
「作画者救済を」「鶴吉先生に賠償請求の権利があるのでは」という声も出始めており、山本章一氏個人の事件を超えて、出版社の管理責任を問う議論へと広がりつつあります。
2月27日現在、小学館からは一切の公式声明が出ていません。
山本章一氏本人からの謝罪や新たな発言もなし。
控訴期限は3月下旬頃(判決から30日以内)で、動き次第ではさらに大きな展開が待っている可能性もあります。
ネットでは「才能や人気で加害が許される時代は終わった」という声が圧倒的な多数を占めています。
被害者の方は今もPTSDと闘いながら、日常を取り戻すために懸命に生きている。
加害者がペンネームを変えれば再び業界に戻れる可能性がある一方で、被害者の人生は巻き戻せない。
この非対称さに対する怒りが、業界を変える力になるのかどうか。
被害に遭われた女性の回復を祈りつつ、山本章一事件の続報を注視していきたいと思います。





