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原油不足でEVが圧倒的優位に? EV車のメリット・デメリットまとめ

EVスタンド
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2026年3月、「令和のオイルショック」と呼ばれる石油製品危機が、私たちの車生活を静かに、しかし確実に揺さぶり始めています。

ホルムズ海峡の実質封鎖によって原油やナフサの供給が滞り、ガソリン価格は全国平均で190円/L前後にまで上昇

しかし、もっと深刻なのはガソリンではなく、エンジンオイルや潤滑油が先に品薄になっているという現実です。

SNSでは「オイル交換を断られた」「町工場で切削油の争奪戦が起きている」といった現場の声が急速に広がり、内燃機関車のオーナーにとっては維持費の急騰が避けられない状況になりつつあります。

そんな中、にわかに注目を集めているのが、エンジンオイルが一切不要なEV(電気自動車)の存在。

この記事では、オイルショックを背景にしたEVのメリットと、見落とされがちなデメリットの両面を、数字と現場の声をもとにお伝えしていきます。

令和のオイルショックでEVが注目される背景

今回の危機で最も意外だったのは、「ガソリンより先にエンジンオイルが消える」という事態が起きたこと。

多くの方にとって、オイルショックと聞けばガソリンスタンドに長蛇の列ができる1973年のイメージが浮かぶかもしれませんが、2026年版はまったく違う顔をしています

原油を蒸留すると、温度差によってガソリン・灯油・軽油・重油などに分離されます。

ガソリンは国内需要の約3割を占める「主力製品」なので、精製工程でも最優先で作られ、国の備蓄も約250日分が手厚く用意されている。

 

一方、エンジンオイルの主原料である「基油(ベースオイル)」は、ナフサという原料を高度に精製して作られる、いわば副産物的な存在

ナフサはプラスチックや合成ゴムの原料でもある万能選手ですが、その供給が中東からの輸入停滞で詰まると、真っ先に切り捨てられるのがガソリン以外の用途——つまり潤滑油の生産ラインなのです。

ここがポイントなのですが、原油備蓄は250日分あっても、ナフサや基油の在庫は約20日分程度と極めて薄い

この在庫の薄さこそが、今回の「先にオイルが品薄になる」という異例の事態を加速させている根本的な原因です。

 

実際、出光興産は3月18日に国内元売り初となる石油製品供給量の削減を発表。

ENEOSも4月からの値上げを通知し、シェル製品に至っては3月の全出荷が停止されました。

町工場では切削油——金属加工に欠かせない潤滑・冷却剤——の争奪戦が現実化し、物流現場では「オイルが綺麗ならまだ交換しなくていい」という先送り指示が当たり前になりつつある。

ナフサ価格はすでに66%急騰し、国内エチレン工場12基のうち少なくとも6基が減産。

三菱ケミカルや出光が不可抗力条項を適用するという、かなり異例の展開になっています。

なお、政府も対応を急いでおり、3月27日から国家備蓄の30日分相当を放出開始しています。

 

ただし、備蓄放出はガソリンなど燃料向けが優先されるため、ナフサ・潤滑油関連の品薄がすぐに解消するかどうかは、正直なところ見通しが立っていません。

こうした状況でEVに改めてスポットライトが当たるのは、考えてみれば自然な流れではないでしょうか。

EVはモーター駆動のためエンジンオイルが一切不要

必要な減速機油やグリース、冷却液も内燃機関車の5分の1から10分の1程度の量で、交換頻度も極めて少ない。

日産の公式資料でも「EVはエンジンオイル交換などのメンテナンスが不要で維持費カット」と明記されており、ガソリン高騰+オイル交換高騰のダブルパンチを受ける内燃機関車に対し、EVの「メンテナンスコスト優位」が一気に表面化しているわけです。

 

Bloomberg報道によれば、アジアのEV販売店ではイラン危機以降、注文が通常の1〜2倍に跳ね上がる現象が起きている。

特に中国BYDやベトナムVinFastといったメーカーが恩恵を受けており、日本メーカーのEVシフト遅れを懸念する声も広がり始めています。

SNSでは「オイル争奪戦でEV信者が笑顔」といった投稿が拡散される一方、「EVだけが安全なんて神話だ」というカウンター意見も根強い。

この「本当のところどうなのか」を、ここから具体的に掘り下げていきたいと思います。

EVに乗り換えるメリットは?維持費を具体的に算出

EVの維持費が安いという話は以前からありましたが、この危機で初めてその差が「肌感覚」で実感できるレベルになった——それが2026年春の現実ではないでしょうか。

ここからは、ガソリン車との比較を具体的な数字で見ていきます。

想定は年間走行1万km、コンパクトクラスの乗用車です。

ガソリン代不要による燃料費の大幅カット

まず最もわかりやすいのが、燃料費の差。

ガソリン車で燃費15km/L、レギュラー190円/Lの条件だと、1万km走るのに約12万7千円かかります。

一方、EVで電費6km/kWh、自宅充電の深夜電力25円/kWhで計算すると約4万2千円

その差、年間で8万5千円以上。

1kmあたりのコストでいえば、ガソリン車が約12.7円に対してEVは約4.2円と、ざっくり3分の1になる計算です。

もちろん公共充電に頼る場面が増えればこの差は縮まりますが、自宅充電を基本にできる環境であれば、ガソリン価格が上がれば上がるほどEVの優位性は開いていく構図。

ガソリン価格は補助金があっても実質170円超が続いており、この先さらに上がる可能性を考えると、燃料費の安定性という点でもEVに分があると言えそうです。

 

エンジンオイル交換がゼロになる経済性

今回の危機で最も痛感するのが、このポイントかもしれません。

ガソリン車は5,000〜1万kmごとのオイル交換が必須で、工賃込みで1回5,000円〜1万円程度。

年に2〜4回交換するとして、フィルター代を含めれば年間2〜4万円の出費になります。

しかも4月以降はオイル自体がリッターあたり10〜29円の値上げ、さらに品薄で交換すら制限されるとなれば、コストだけでなくストレスも相当なもの。

EVはこれがまるごとゼロ。

ATオイル、スパークプラグ、タイミングベルトといったエンジン関連の消耗品交換もすべて不要なので、5年間で10万円以上の差が出てくる計算になります。

「交換に行ったら在庫なしと言われた」という心配とも無縁なわけで、精神的なメリットも小さくないのではないかと感じます。

ブレーキパッド等の消耗品が長持ちする理由

EVには「回生ブレーキ」という仕組みがあり、これが消耗品の寿命を大きく伸ばしています。

減速するときにモーターを発電機として使い、運動エネルギーを電気に変えてバッテリーに戻す——つまりブレーキを踏まなくても減速できるため、摩擦ブレーキ(パッド)の使用頻度が激減するのです。

ガソリン車のブレーキパッド交換サイクルが3〜5万kmなのに対し、EVでは8〜15万km以上持つケースが主流とされています。

交換費用は半分以下に抑えられ、車検時の部品交換全体も少なくなるため、10年間の総維持費でガソリン車より20〜30万円安くなるという試算も。

特に街乗りや渋滞が多い方ほど回生ブレーキの恩恵は大きく、運転中の疲労が軽減されるという副次的なメリットもあります。

これは意外と知られていないEVの隠れた強みと言えるかもしれません。

 

税金面での優遇措置(エコカー減税等)

2026年現在、EVにはかなり手厚い税制優遇が用意されています。

CEV補助金は最大130万円で、2026年1月以降の登録分では前年比40万円の増額。

環境性能割は非課税、自動車重量税は初回車検まで免税、自動車税は75%軽減(グリーン化特例)と、これだけ並ぶと正直ちょっと驚かされます。

コンパクトEVの購入時には、これらを合わせると実質負担が数十万円減る計算です。

車検時も重量税の優遇が継続されるため、5年間の税金差額は数万円から10万円超になるケースも。

PHEV(プラグインハイブリッド)にも85万円上限の補助がありますから、「維持費の爆増を避けたい」というユーザーにとっては、初期投資の回収が以前より早まる強力な後押しになっていると言えるでしょう。

 

太陽光発電と連携した「燃料費タダ」の可能性

ここが長期的に見て、最もインパクトのあるポイントかもしれません。

自宅の太陽光パネルとV2H(Vehicle to Home=車から家への給電システム)、そして蓄電池を組み合わせると、昼間に太陽光で発電した電気でEVを充電し、夜間や停電時にはEVのバッテリーから家に電気を送ることができる。

理想的な条件なら、実質的に燃料費がほぼゼロになるわけです。

2026年のCEV補助金ではV2H設備も対象で、設備費・工事費で最大75万円+40万円の補助が出ます。

年間1万km走行分の電力を太陽光でまかなえれば、ガソリン代12万円超がそっくり浮く計算。

さらに停電時の非常用電源としても機能するため、中東情勢のような地政学リスクに対する「家庭レベルの強靭性」が格段に上がります。

初期投資は決して小さくありませんが、10年単位で考えれば十分にペイする選択肢ではないでしょうか。

 

全体をまとめると、年間1万km走行のコンパクトクラスでEVはガソリン車より維持費が6〜11万円安くなる計算になります。

危機下の価格高騰でこの差はさらに広がっており、「長く乗るほどお得」という構図が、今まさに鮮明になりつつある状況です。

実は有能な『EVバイク』の利点

ここまでEV四輪車のメリットを見てきましたが、「さすがにいきなり車を買い替えるのはハードルが高い…」と感じている方も少なくないのではないでしょうか。

そんな中、いま静かに注目を集めているのがEVバイク(電動バイク・電動スクーター)という選択肢です。

実はアジア各国では、今回のオイルショックをきっかけにEVバイクの需要が爆発的に伸びています。

タイでは原油高を受けて電動バイクの販売が通常の20倍に急増したという報道もあり、ベトナムでも通勤や配達に使う層がガソリンバイクから一気に乗り換えている状況。

日本ではまだそこまでの動きにはなっていませんが、SNSでは「近距離ならEVバイクで十分じゃないか」「原油高で唯一のいいニュース」といった声が確実に増え始めています。

注目すべきは、価格のハードルがぐっと下がってきていること。

 

Hondaは2026年3月23日に原付一種の「ICON e:」をバッテリー+充電器込み22万円で発売しました。

航続距離は定地走行値で81km、実用的には40〜50km程度ですが、通勤や買い物などの日常使いにはこれで十分すぎるくらい。

シート下に26Lのラゲッジスペースがあってヘルメットも収納でき、従来モデルのEM1 e:より約10万円安くなったことで、「ちょっと試してみようか」と思える価格帯に入ってきたわけです。

 

YamahaのE01は航続距離約100kmで都市部通勤に最適な静粛性が特長。

Suzukiも折り畳み式のe-POや中型クラスのe-Burgmanを展開しており、選択肢は着実に広がっています。

CEV補助金や自治体の独自助成——たとえば東京都は電動バイク専用の充電環境促進事業も実施中——を活用すれば、初期投資の回収は2〜3年以内で十分に見込めるでしょう。

EVバイクの維持費の安さは、四輪のEV以上にわかりやすいかもしれません。

 

ガソリン原付の維持費が年間3〜5万円かかるのに対し、EVバイクは電気代が年間1〜2万円程度。

エンジンオイル交換はもちろんゼロ、スパークプラグやタイミングチェーンといったエンジン系の消耗品メンテも一切不要なので、5年間で10万円以上の差がつく計算です。

充電は家庭用の100Vコンセントに挿すだけで、6〜8時間でフル充電。

ガソリンスタンドの行列や品薄とは無縁の生活が手に入ります。

もうひとつ見逃せないのが、災害時の「走る非常用電源」としての価値。

 

最近のEVバイクの多くはV2L(Vehicle to Load)機能を搭載しており、100Vコンセントから直接給電が可能。

停電時にスマートフォンやLEDランタン、小型冷蔵庫などに電気を送れるため、地震や台風の多い日本では「移動手段+非常用電源」という一石二鳥の存在になり得ます。

車体重量も100kg前後と軽く、渋滞や道路封鎖の場面でも小回りが利く。

東日本大震災ではガソリン不足で車もバイクも動けなくなった経験を持つ方にとっては、「電気さえあれば動ける足」がある安心感は相当大きいのではないかと思います。

もちろんデメリットもあります。

航続距離は40〜100km程度なので長距離ツーリングには不向きですし、充電に数時間かかるため急ぎの外出には気を使う場面も出てくるでしょう。

ただ、「車は持っているけど、近場の移動用にもう一台あったら…」というセカンドバイク的な使い方であれば、これほど今の時代に合った乗り物もなかなかない。

EV四輪車が数百万円の買い物であるのに対し、リーズナブルに始められるEVバイクは、オイルショック時代の「まず最初の一歩」としてかなり現実的な選択肢ではないでしょうか。

Honda・Yamaha・Suzukiの販売店や、お住まいの自治体の補助金情報を一度チェックしてみる価値は十分にあると思います。

 

 

EVのデメリット!電気代高騰で優位性は消える?

ここまでメリットを並べてきましたが、「そんなにうまい話があるのか?」と疑いたくなるのが人情というもの。

Yahoo!コメントなどでもよく見かける「原油高→LNG高騰→電気代上昇でEVの優位性なんて消える」という指摘は、率直に言って一理あります。

ここからは、その懸念にきちんと向き合っていきたいと思います。

まず日本の電力がどこから来ているかを整理すると、LNG(液化天然ガス)火力が25〜33%、石炭が26〜28%、石油火力はわずか2〜5%、原子力が9%、再生可能エネルギーが20〜28%超という構成。

石油火力の比率が極めて低いため、原油価格の高騰が電気代を直撃するわけではありません。

ただし問題はLNG。

 

グローバル市場でLNG価格が原油と連動して上がるため、燃料費調整制度のタイムラグを経て、夏から秋にかけて家庭の電気代が月数千円〜1万円ほど上がる可能性が指摘されています。

再エネ賦課金も2026年度は4.18円/kWhに上昇しており、400kWh/月使う家庭なら年間2万円超の負担増になる計算です。

では、電気代が上がったらEVの優位性は本当に消えるのか?

具体的に検証してみます。

 

自宅充電のEVで電費6km/kWh、電気代が30円/kWhに上がった場合、1万km走行のコストは約5万円。

さらに5円/kWh値上がりしても約5万8千円。

対するガソリン車は190円/L・燃費15km/Lで約12万7千円。

差額は依然として6万円以上残ります

つまり、電気代がかなり上がっても「EVの方が安い」という構図自体はひっくり返りにくい。

ただし、公共充電に依存する割合が高い人や、事業用の高圧電力を使っている場合は逆転リスクが出てくるため、ここは自分の使い方に合わせた判断が求められます。

 

電気代以外にも、購入前に知っておきたいデメリットはいくつかあります。

公共充電器の混雑は、危機下でEVシフトが進むほど深刻化する恐れがあり、高速道路のSAや商業施設での充電待ちがストレスになる場面は増えるかもしれません。

冬場にはバッテリー性能が低下し、暖房使用も加わって電費が1割程度悪化するため、航続距離が短くなったり充電頻度が増えたりする。

プリヒート機能やヒートポンプエアコン搭載車を選ぶことである程度カバーできますが、寒冷地のユーザーは特に注意が必要でしょう。

 

バッテリーの交換費用も見落とせないポイント。

一般的に8年・16万kmが交換の目安とされ、費用は40〜100万円と高額。

長期保有を前提にするなら、この出費をどこかで織り込んでおく必要があります。

また、EVのタイヤやプラスチック部品の一部は石油化学由来なので、今回のような危機では交換部品が手に入りにくくなる可能性もゼロではありません。

もうひとつ正直に触れておきたいのが、LNGの備蓄が2〜3週間分と薄い点。

ホルムズ封鎖が長期化し、LNG供給まで逼迫すれば、夏場の冷房需要ピークと重なって計画停電のリスクが浮上します。

政府は石炭火力の柔軟運用なども検討中とされていますが、EVは充電できなければ「走れない車」になってしまうわけで、ガソリン車の「燃料切れ」リスクとは別の形の脆弱性を抱えていることは認識しておくべきでしょう。

 

ただし、ここに太陽光発電+V2Hの組み合わせがあれば話はだいぶ変わってきます。

自宅で発電してEVに充電し、停電時にはEVから家に電気を送る——この「分散型エネルギー自立」ができていれば、電気代高騰も停電リスクもかなりの部分をヘッジできる

EVは単なる移動手段ではなく「走る蓄電池」として機能するわけで、太陽光とセットで考えれば、むしろガソリン車よりレジリエンスが高いという見方もできるのです。

結局のところ、EVは「エンジンオイル不要」という短期的な圧倒的メリットを持ちつつも、電力価格の連動リスクという弱点からは逃れられない。

完全無敵ではないけれど、トータルで見ればガソリン車よりも危機に強い体質であることは数字が証明している——というのが、2026年3月時点での冷静な結論ではないかと思います。

「EVを買うだけ」で万事解決とはいきませんが、太陽光やV2Hと組み合わせた「エネルギー自給体制」まで視野に入れれば、今回のような地政学リスクに対する個人レベルの防衛策としてはかなり有力な選択肢になり得る。

いきなり純EVに飛びつくのが不安な方は、PHEV(プラグインハイブリッド)から始めてみるのも現実的なステップかもしれません。

 

なお、今すぐガソリン車を手放す予定がない方は、エンジンオイルのストックやDIY交換など「今の車を守る対策」も大切です。

具体的な備え方については、別記事「エンジンオイルが4月から大幅値上げ…!オイル個人でできる対策まとめ」で詳しくまとめていますので、あわせてチェックしていただければと思います。

この危機がいつまで続くかは中東情勢次第で変わりますが、「石油に依存しすぎることのリスク」を私たちに突きつけているのは間違いありません。

慌てず、でも後回しにせず、自分に合った備えを少しずつ進めていく——その第一歩として、この記事が何かの参考になれば幸いです。

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